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RAVEL:MENUET ANTIQUE.

モーリス・ラヴェル:「古風なメヌエット」 (1895)

Edition_enoch005_3 本日のプログラムは「古風なメヌエット」 
原曲は2手ピアノ曲です。
ラヴェル20歳の時の作品。彼が影響を受けた友人のスペイン人ピアニスト、リカルド・ヴィニェスへ捧げられています。 この曲は1899年にヴィニェスにより初演され、原曲の作曲から34年の時を経た、1929年、作曲者自身の編曲により管弦楽版が発表されました。 ラヴェルのopus2であり、ピアノ曲、管弦楽曲ともに現在でもよく演奏される小品です。 管弦楽版のほうはラヴェルによって中間部の楽想が少し拡大されていますがPINK MOZART版はピアノ版に準拠し製作しました。 「古風なメヌエット」はもっとも基本的なA-B-Aの3部分によって構成されています。 まったくどうでもよいことなんですが、こういう構成様式を我々は「三部形式」と呼んでおります。 編曲しなきゃならない曲が「三部形式」の曲だとわかると、なんだか、すっかり忘れていたヘソクリの福沢先生を久しぶりに開いた本の中で見つけたように嬉しくなります。いや、それ以上だ、「生きていて、こんなに幸せなことはない」ってくらい狂喜します。 なんでか?と申しますと、AとBの部分さえ編曲すれば、あとは「ダ・カーポ」記号をBの最後に書いて、Aの最後に「フィーネ」と書いとけば「一丁あがり!」です。 別に三部形式だからといって編曲料を値切られることはありませんから、大変にお得で大いに手間の省ける楽曲形式ゆえに、私は愛してやみません。
(イメージは非常に優雅なフランスENOCH社のピアノ版楽譜の表紙です)

【追記】2007年8月5日に管弦楽版に基づいたPINK MOZART編[version 2]を公開いたしました。

  menuet_antique.mp3」をダウンロード
    Maurice RAVEL. MENUET ANTIQUE(1895)
    fis-Fis-fis. 3/4
    124bars in notation, actual 146bars.
    édition=ENOCH.     [duration=6:01]

    transcrit par PINK MOZART(2007)

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Comments

ねこぼーしさん

何度も聴いていただいて、ほんとうにありがとうございます。「古風なメヌエット」を指揮されたようですが、このA部分、実は拍の頭がすべて4分の1拍(16分音符一つ分)後ろにズレて書かれていますので、指揮者泣かせの曲なんです。
リアルな合成音だと困ったのですが、なかなかキッチュな音でしたから初めて使ってみました。あれ、その通り「ティンパニ」です。

すばらしい「詩」です。私はねこぼーしさんの詩のほうが感動的だと思います。作家の村山由佳さんが「天使の梯子」(これはたぶん3:21のところでしょう)の意味を説明しているのをFMラジオで運転中、たまたま聞いたので憶えていました。なのに、この曲のB部分はシャープ6つの調性なんですが、それは何調なのか?をすっかり忘れていて指を折って数えて、やっと嬰へ長調だとわかりました。変なものです。(いや、ヤバいです)

PARISはサハリン北端とほぼ同緯度ですから、メキシコ湾流のおかげで気温こそ高いものの、ほぼ極地気候になります。冬の間は1日として晴れの日はなく、雲が手を伸ばせば届きそうなくらいに低く濃密に空を覆います。それでも、だんだんと雲が空高くへ遠退いてゆき、ある日、雲の合間からポッと「天使の梯子」が降りてくるようになると、待ちに待った春が到来します。

Posted by: PINK MOZART. | Monday, 26 March 2007 22:02

三十回以上は聴きました。いや、もっとかな。
「2手ピアノ曲」とは思えない音の厚みは
PINKYさんの編曲のチカラですね。
オーケストラ編成を目の前に浮かべ、
つい指揮者みたいに腕を動かしてしまいましたよ。
聴き込むほどに曲の隅々にまで光があたってゆきます。
A部分のティンパニっぽいベース音が入るとこが
盛り上がって好きです。
もちろん出だしのドラマチックなとこも。
1分14秒あたりから左手から徐々にもりあがってくるフレーズも
来た来たっ!って感じでぞくりとします。
今日も曲から受けた映像を書きます。今回は心象風景ですね。

  ***

この季節は雲が厚く、空はいつも灰色だ。
石畳に響く私の足音は空気に吸い取られるように感じる。
橋の欄干に肘をあずけ、ゆったりした流れの川面を眺める。
川の色と空の色は同じ。でも輝きは違う。
ふと気付くと雲の狭間から「天使の梯子」がすっと降りている。
綺麗だ、と思う。
そんな感情をしばらくのあいだ忘れていた自分に気付き
辛い気持ちは長続きしないものだ、と少し笑う。
そしてもうひとつ、
ずいぶん長い間泣いていなかったことにも気付いた。
そうか、泣いてもいいんだ。
そうすればまた少しだけ楽になれそうな気がする。

Posted by: ねこぼーし | Sunday, 25 March 2007 22:49

Site Cafe Riasさん

Riasさんが言われるように、本当にこの曲は詩的です。RAVELの作品は後期になればなるほど、叡智に充ち透明感が増しますが、私はこの曲と「ピアノ協奏曲(両手の方)の第2楽章」とRAVEL最後のピアノ組曲「クープランの墓」が、もっとも好きです。Riasさんも一度ピアノ演奏で「古風なメヌエット」を聴いてみられることを、ぜひ、お勧めいたします。「風雅絶品」とはこのピアノ曲にこそ、ふさわしい形容です。

私の学生時代、この種の楽譜は原典版を輸入する以外に入手手段がなかったのですが、現在ではほとんど日本語版が国内の楽譜会社から出版されています。しかし、その装丁、デザインたるや一世紀前のフランス版には足下にも及ばない、味気ないものです。もっと原典版を買い集めておけばよかったな、と後悔していますが、この輸入楽譜というモノは今も昔も非常に高価です。

Posted by: PINK MOZART. | Saturday, 24 March 2007 21:22

いつもながら、いい仕事ですねえ。
作曲者も、もちろん編曲者のPINK MOZART.さんも。
今回はファンタジーだけでなく、
そこはかとないリリシズムのようなものも、
感じられました。
イメージ画像もいい味で、曲にぴったり。
原物の表紙は、手書きなんでしょうね。
それもまたスゴイ。
特に背景の精緻な模様が・・・。

Posted by: Site Cafe Rias | Saturday, 24 March 2007 13:45

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