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Posts from April 2007

DEBUSSY:PREMIERE ARABESQUE.

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クロード・ドビュッシー 第一アラベスク

【2007年12月21日に「アラベスク第1番 version2を公開しました】

本日のプログラムは、もちろん「アラベスク第一番」です。この「2つのアラベスク」の作曲年は文献によって1888年と1890年の2つの説がありますが、ま、そんなことはどうでもよいでしょう。 ドビュッシーの作品で一番最初に出版されたのは、実は編曲作品で意外にもチャイコフスキーの「白鳥の湖」の4手ピアノへのリダクション楽譜でした。ドビュッシーは1880年頃より習作、スケッチを多くものにしていますが、作品らしいピアノ曲としては、この「2つのアラベスク」が最初の作品となりました。
19世紀末のパリで流行していた、もう一つの「アラベスク=ART NOUVEAU」についての記事をGALERIE PINK MOZARTに掲載していますので、ぜひご覧下さい。

 Claude DEBUSSY:Première ARABESQUE.
 Andante con moto. E-A-E. 4/4. 167bars
 春秋社版ドビュッシー集1 [duration 3:43]

  transcrit par PINK MOZART(2007)

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LEMOINE:BILLAUDOT:SCHIRMER.

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難読楽譜出版社

フランスの楽譜出版社で、よくお世話になるのはDURANDとLEDUC。たぶんこの2社がフランスでは最大手の楽譜出版社です。これは簡単に読めますね「デュラン」と「ルデュック」。これについでよく目にする出版社名がLEMOINEとBILLAUDOT、これはなんと読むか? フランス語の読み方さえ識っていれば規則から何一つとして逸脱がありませんから、簡単といえば簡単なのですが、そも、その「フランス語の読み方の規則」を識らなければ難解な出版社名です。 正解はカタカナで表すと「ルモワーヌ」と「ビヨォド」あるいは「ビヨード」 しかし、わたしが常日ごろから頭を抱え込むほど悩んでいるのは、実に合衆国の大手出版社のSCHIRMERです。なんて読むと思いますか?

むかし、友人がさかんに「シェデュール」「シェデュール」という言葉を口にするので、「何、それ?」と聞いてみますと、とくとくと「いま、オーストラリアの先生から英語の個人レッスン受けてるんだけど、SCHEDULEは正しくはシェデュールって発音するんだって」 ちょっと待て! オーストラリアの人々がSCHEDULEをなんと発音するか?などは、もとより知ったこっちゃありませんが、そりゃヘンだ。そういえばASIMOV先生のコラムにも、英語ではSCHを一音節では絶対に発音しない規則なのに近頃ではSCHEMAとかSCHEMEをシェーマ・シェームと発音するのが流行っている、そのうちSCHOOLもシュールと言い出すに違いない、と発音の乱れを嘆いた一文がありました。

以前、電話で代理店にSCHIRMERの楽譜を註文したとき、代理店の人が「えっ、どこの出版社ですか?」「SCHIRMER、綴りはS-C-H-I-R-M-E-R」復唱すると「ああ、シェーマーですね」ちがうぞ~、SCHIRMERは断じて「シェーマー」なんて読む法則は英語にはないぞ~ と愕然としましたが代理店の社員が「シェーマー」と断言するのだから、しかたがありません「シェーマー社」の楽譜を註文いたしました、先の電話でわたくしは、良識にしたがって「スキルマー」と発音したのです。
SCHIRMER 正確になんと発音するのでしょうか? いまでもわかりません。

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DEBUSSY:DEUXIEME ARABESQUE.

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クロード・ドビュッシー 第2アラベスク

【200712月21日に「アラベスク第2番 version2を公開しました】

アラベスクとはピアノ曲の一形式で全曲にわたって連続的に音が装飾音で彩られている楽曲をいいます。  とくにシューマンと、このドビュッシーの「第1・第2アラベスク」が有名です。

この曲の場合、譜例1あるいは譜例2のような楽譜表記で書き表すと、演奏する音位はおなじになりますが奏者の解釈により音価が変化するのを嫌ってドビュッシーは省略的な記号表記を避け直接3連符によって音価を指定する書法を選んでいます。

「2つのアラベスク」は1890年、「夢想」や「ベルガマスク組曲初稿」とおなじ年に書かれた、ごく初期の作品です。

アラベスクには美術学的に、もう一つの大きな意味があり、これがドビュッシーがアラベスクを作曲した時代背景に関わってきますが、それは次週「第1アラベスク」公開の際に説明します。

 Claude DEBUSSY:Deuxième ARABESQUE.
 Allegretto scherzando. G. 4/4. 110bars
 春秋社版ドビュッシー集1 [duration 3:56]

  transcrit par PINK MOZART(2007)

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FIP.

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世界で一番すてきな放送局

フランスの大統領選がちかづくと、いつも、ある放送局のゆく末について心配したことを思い出して笑い転げてしまいます。PARISにFIP(フィップ=FRANCE INTER PARIS)というFM放送局があり、朝7時から夜の11時までフレンチPOPS、世界中のPOPS、シャンソン、ロック、時にはJ-POPにまざって突然クラシック音楽も流れる、ようするに何でもアリの放送局です。 基本的に「おしゃべり」は少なく思いついたように、交通情報、天気予報、パリと近郊のイヴェント・コンサート情報などとニュースが音楽にかぶさって一時間に数回程度、短く流れるだけです。フランス語がわからなくても、実に楽しい選曲で一日中楽しめます。またフランス語が理解できるならその女声の美しい首都圏フランス語に聴き惚れてしまいます。口調もアナウンスというよりは「おはよう、今日はいい天気ね、でも冷えるわね~」「いま、ペリフェリック(パリ環状自動車道)の外回りポルト・マイヨで車が燃えてるみたい、だいぶ渋ってるから早めに降りた方がいいわよ」「今日のサル・プレイエルのコンサートの当日券は残念だけど売り切れたみたい」ってな感じです。 不思議なことにマジメなニュースの途中でアナウンサーが突然「ギャハハハハハ」などと、吹き出して、原稿読みが中断してしまう「放送事故」がじつに頻発します。 フランス人曰く FIPではアナウンサーがニュース読みに入ると副調整室のスタッフ全員あらん限りの策略をもちいてアナウンサーを笑わせて放送を中断させるのが「義務」とされているらしいのです。

ある年、夏時間へと変更になる日、朝からFIPはイヤにマジメに毎正時「ただいま7時です」「ただいま8時です」と、時刻を宣言していました、いつもなら「今8時を4分すぎたわ」とか「もうすぐ9時よ」と時報にかんしてはチョーぞんざいなFIPも夏時間へ移行する日くらいはちゃんとやるんだなと、感心し、そして、まんまとダマされました。たまたま時間変更日と日曜日と4月1日が重なり、前日までの冬時間の時報を一日じゅう流し続けたFIPの面目躍如です。パリ市はすくなからずの混乱に陥りましたが「FIPがやりやがった」と諦めています。 こういうことは放送局として「あるまじき行為」「反社会的行為」いや「犯罪行為」のような気がしますが、パリの人たちはただ、おもしろがっております。

現ジャック・シラク大統領の前はフランソワ・ミッテラン率いる社会党が政権を握り一時期、企業国営化の嵐が吹き荒れました。航空機や自動車会社が国営化されようと何らの痛痒も感じませんが「もしFIPが国営化され、牙を抜かれて普通の放送局になったらつまんなくなるなぁ」と危惧しましたが、これは完全なる杞憂でした。なぜなら、このふざけた放送局FIPはもともと「フランス国営国内放送局部門」の「パリ放送局」でした。

このFIPはインターネットで本国と約3分遅れでストリーミング配信されています。ポータルサイトでRADIO FRANCEを検索して入るか、右サイドバーのLINKSのSite Cafe Riasさんのサイトからも入ることができます。

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DEBUSSY:REVERIE.

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クロード・ドビュッシー 「夢想」 RÊVERIE.

有名な「夢想」はドビュッシー形成期の作品で1890年に出版されたピアノ小品5曲の一曲です。 同時に出版されたDANSEなどは重厚でウンザリになるほど複雑な書法ですが、この曲は平易であっさりとした、わかりやすい書法で作曲されています。 国内某大手楽譜出版社(音楽の友社じゃないほうの楽譜出版社です)の解説に「夢想」はフランスの作家Alain FOURNIER(アラン・フルニエ)の小説 GRAND MEAULNES「グラン・モーヌ」旧邦訳題「モーヌのガキ大将」に想を得て作曲されたと、書かれています。版権を所有していたフランスJOBERT(ジョベール)社の原典に書かれていたのかもしれませんが、こういう記述をdemagogie略して「デマ」「お騒がせネタ」略して「ガセネタ」あるいは「真っ赤なウソ」と申します。アラン・フルニエはドビュッシーが「夢想」を発表した年にまだ四歳。「グラン・モーヌ」が出版されたのは1913年のことです。

【追記4月16日】「ねこぼーし」さん作「夢想」を
GALERIE PINK MOZARTに収録しました。


【追記8月14日】
「夢想 version2」を公開いたしました。

   
   Claude DEBUSSY. RÊVERIE. (1890)
   Andantino. dolce con espressione.
   101bars. F-E-C-F. 4/4.
   春秋社版ドビュッシー集1 [duration 4:34]
    transcrit par PINK MOZART(2007)

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Prelude & Fugue.

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プレリュードとフーガ

作曲家の先生がたは自分の作品には、もちろん思い入れが強いのでしょうから、とかく難解な命名をする傾向があります。 わたくしの音楽学校時代、「墓碑銘(epitaph)」とか「習作」(あるいはこの意の各国語題)なんてのを自作に冠するのが猖獗を極めておりました。ご本人はともかく、こういうのを演(や)らされる奏者はたまったものではありません。 本番前の楽屋でも「墓碑銘って、いったいぜんたい誰のかね? 作曲者のバァさまかネ?」とか、「習作だって? アータねぇ、そんなもんでお金取って人に聴かせていいもんかね? なんで、ちゃ~んとした演奏会用の作品をつくんないのかね」 意気の揚がらないこと夥しいものがあります。 今ではこんな題名をつける作曲家は少なくなりましたが、作品は題名などには凝らないで、あっさりと「三重奏曲」「四重奏曲」などの演奏形態で表すか、あるいは「ソナタ」などの、ごくオーソドックスなものにして内容で人を唸らせていただきたいものです。

ところで前回「プレリュード」が和声音楽、「フーガ」が対位法音楽であることを説明いたしました。 和声学と対位法学の東西両横綱のそろいぶみ、ゴジラ対キングギドラ、いや、これはちょっと違うな、そう、「お雛様とお内裏様」のような好一対です。 この豪華な構成の楽曲は現在でも、さかんに作曲されていますが、その場合は「プレリュードとフーガ」という題名は、どちらかというと避ける習慣があります。これは、いうまでもなく「プレリュードとフーガ」という形式を確立した「大バッハ」(Johann-Sebastian BACH)に表敬すべく自作を謙遜し「Prelude. Fugue」の「示小形」である「Preludio & Fughetta」(プレリューディオとフゲッタ)と命名することが世界中で慣例となっています。 自分の作品は「大プレリュードと大フーガ」である、としても少しもかまわないんですが、ま、これは「不文律」というやつです。

ちなみにこの「不文律」という言葉は日本語じゃありません。 明治時代に英語のUnwritten Lawを概念ごと取り入れたもの。元の言葉を減格する働きを持つduo→duette. sonata→sonatina. prelude→preludio. fugue→fughetta. concerto→concertino. symphony→symphonietta. のような語尾群を「接小辞」と申します。

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DEBUSSY:SUITE BERGAMASQUE. PRELUDE.

Montmartre
(モンマルトル CONTAX-RTS.  Carl Zeiss PLANAR-T 85mm)

ベルガマスク組曲 「プレリュード」

4曲から成る「ベルガマスク」2手ピアノ組曲はドビュッシーの形成期といえる1890年から1894年にわたり作曲されましたが、ながいあいだ発表はされず彼の円熟期に入った1905年(日露戦争終結年)の出版時までに大幅な改訂が加えられたようです。 現在、各国で出版されている「ベルガマスク組曲」はすべて、1905年の改訂版に基づいています。ベルガマスクとはドビュッシーがイタリア留学中に訪れ、風光に感銘を受けた「ベルガモ地方」のフランス語表記です。
「あの、ベルガモってイタリアのどの辺ですか?」 という方は=こちらイタリア・ロンバルディア州政府観光局日本語公式HPをどうぞ!

第一曲のプレリュードは、もちろん「前奏曲」という意味が「有ると言えばある・無い訳ではない・なきにしも非ず」なのですが、「プレリュードねえちゃん」と根っからの「ワケあり」の「フーガあんちゃん」がツルんで「プレリュードとフーガ」という最強ユニットを結成しますと、「楽典」においては「和声音楽」という「定義」の方が燦然と輝やきだします。 このプレリュードも豊かな和音の響きに支えられた、優美で舞うような旋律に始まり、中間部では、まさに重厚な「和声(和音・ハーモニー)の音楽が展開されます。

なお、「プレリュードとフーガの違いを説明せよ」という設問は、人気のある試験問題ですから、これを読んでいる音楽学校の生徒さん達は、よ~く憶えておきましょう。 
回答=「フーガの前に演奏するのがプレリュードである」なんてバカなことは書かないで「プレリュードとは和声の音楽であり、フーガとは対位法の音楽である」と、これさえ書いておけば、どんなにイジワルな教授でも減点することはあ~りません。


 1_Prélude. Moderate.tempo rubato(テンポを揺らして)
 F. 4/4. 89bars.  [derarion=3:28]
  春秋社版ドビュッシー集1 

  transcrit par PINK MOZART(2007)

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DEBUSSY:SUITE BERGAMASQUE. MENUET.

ベルガマスク組曲 「ムニュエ」

いくぶん懐古調な雰囲気を持つ、非常にエレガントなムニュエ(メヌエット)です。 中間部におけるタネもシカケもない、aとgの2オクターヴにわたる2回ずつの自然短音階下降形の出現により、淡い色調の印象風景画が一転、まるで「名瀑」の劇的な精密描写画のようです。 「画竜点睛」とは、さもあらん。


 2_MUNUET. Andantio et très délicatement(デリケートに)
 a-Es-A-a. 3/4. 104bars.  [deration 4:22]
  春秋社版 ドビュッシー集1 

 transcrit par PINK MOZART(2007)

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