
わたしとコンピュータの邂逅 その4
【承前】」「一太郎ver'5」通称「五太郎」の発表時「ハードディスクと2MBの増設メモリ必須」の動作条件は大変な衝撃でしたが、そのころにはHDDとメモリの価格は月が変わるごとにどんどん下落し、ついに100MBHDDが10万円を割る価格となり「五太郎」のリリースを機に98にハードディスクを導入された方が非常に多かったと思います。
(何度も繰り返すようですが100メガバイトが、です)また「五太郎」はFDで頒布された最後のヴァージョンでもあり、11枚ものプログラムFDでインストールし、「初回限定」の13枚のフォントディスクをHDDにコピーし、ルーチンワークで計24枚のバックアップディスクのコピーまで合計すると数時間を要する作業でした。
4MBのメモリを増設しHDのパーティションは半分ずつの50MBに切ってAドライヴを日本語領域に設定しました。CONFIGURATIONは五太郎が自動生成してくれるので手間は掛からないんですが、ハードディスクとはいえ変換の度に「ディスクにアクセス」して「辞書」を検索するのを回避すべくAUTOEXECTUTIONの方は凝りに凝ってプログラミングをしました。最終的なバッチファイルを実行しAドライヴから「五太郎」を起動すると:
1_FEPであるATOKすべてと「五太郎」でEMSに展開できる
すべてのファイルを増設に追い出す。
2_1MBほどの作業領域をEMSに作製する。
3_ATOKのLDICをHDDからEMSに確保したRAM-DISKに
転送する。
「五太郎」終了時には自動的に変換の学習結果をRAM-DISKからHDDに保存する。
上記のプログラムを「自前」で組み立て、ようやくコンピュータは大河小説ほどの文書容量をともなったワードプロセッサ専用機と同等の「賢さ」で機能するようになりました。
まだ大多数の人が「物珍しさ」と高価なWPとしてコンピュータを使っている時期においても、わたしの目的は「コンピュータ・ミュージック作製」という新分野でしたから、問題は音楽のノーテーションとMIDIシークエンサーの本拠地[Bドライヴ]でした。
こちらの方のソフトはEMSには対応していませんから4Mの増設メモリは何の役にも立ちません、結果悪名高いコンヴェンショナル・メモリと称する640KBの領域からMS-DOS ver'5から可能になったEMSに逃すことが可能なコマンド・ファイル、その他のファイルを徹底的に追いやるようにCONFIGURATION.SYSを書き換えては「チューニング」を計り、再起動をしては「CONFIG.SYSの***のパラメーターが無効です」のエコー列を一つずつ減らし、ついに、ほとんど600KB近いユーザメモリを確保するに至りました。
使用していたシークエンサーのスペックは「999小節まで可能」でしたが、これは「大譜表程度なら999小節」の意味なのか、ソフトウェア・シンセサイザなど想像もできない非力な386チップによる単なる外部MIDI接続楽器の「コントロールタスク」でも、さして大規模ともいえない14段管弦楽総譜4拍子のシークエンス・プログラムをRUNすると、まさに身を削るような努力で稼いだユーザーエリアもメモリオーヴァにより百数十小節あたりが限界、演奏は曲の途中でハタとストップしたものです。
現在の使用機はPENTIUM-Dの512MBメモリ装備、386マシンの800倍もの広大なメモリ域を持っています。これなら「充分すぎる」と思いましたが、やっぱり足りないんですね、これでは。まさか「途中で演奏が止まる」なんてことは決してありませんよ、今のシステムは格段と進歩していますから、そんな野蛮な挙動はいたしませんよ、メモリが足りない場合は「いきなり曲の途中」から演奏が開始され最後まで演奏してくれます。どうです、なんと「洗練された振る舞い」でしょう。
(後に1.5GBに増設し、メモリ不足問題は最終的に解消されました。イメージはコレクションより386DX-CPUと486SX-CPU)
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