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Posts from March 2008

RACHMANINOFF:VOCALISE. op.34-14,

Rachmaninoff

セルゲイ・ラフマニノフ「ヴォカリーズ」 op.34-14,(1912)

 
  Lentamente,Molto cantabile.
    e. 4/4. 70bars[duration=6:01]
    based upon music for Vl'&Pf'' (IMC1632)
    transcrit par PINK MOZART MMVIII.

有名なラフマニノフの「ヴォカリーズ」は1912年に作曲された14の歌詞のない歌曲集の終曲を飾ります。
VOCALISEとはフランス語で声楽の練習方法の一種です。歌詞や階名の代わりに最初から最後まで一つの「母音」で歌う唱法です。AEIOUすべての母音で歌う練習をするのですが演奏会ではこのうち最も豊かな表現がとれるA音を用い、全曲をとおして「アアア~ アア・アーアア・アーアアアー」と歌います。
原歌曲集はソプラノかテノールのために書かれましたが現在では、ほとんどすべての楽器用に編曲された楽譜が出版されています。したがってありとあらゆる調性楽譜が存在するのですがPINK MOZART版は原調のホ短調で製作しました。
本作品はARCHIVES PINK MOZART開始時からの温かい支援者Site Cafe RIASさんから昨年の2月にリクエストされていたものですが、当時のシステムでは表現が不可能なために完成まで一年余もかかってしまいました。
RIASさん、おくれて申し訳ありません。

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PIERNE:IMPROMPTU-CAPRICE. op.9 ter,

Deux_femmes_8

ガブリエル・ピエルネ:「奇想即興曲」op.9 ter,(1885)

 
   Allegretto moderato.
    As-c-C-As. Récit-6/8-Récit-3/8-6/8.
    166bars+2Récit [duration=5:32]
    ALPHONSE LEDUC(A.L.10.381)
    transcrit par PINK MOZART op.100,
                
Henri Constant Gabriel PIERNEのハープ独奏用「奇想即興曲」は現在ハープのレパートリで最も重要な地位を得るほど、この楽器の特性を活かし切った優美この上ない旋律の名曲です。
原曲は1885年度パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)
ハープ科卒業試験課題曲として作曲されました。これがop.9,
のちにピエルネ自身によりピアノ用に編曲されたものがop.9 bis,そして卒業試験課題曲からより華やかに演奏効果を向上させた「演奏会版」が op9 ter,
残念ながらop.9,とop.9 bis,の楽譜は絶版になっていますのでPINK MOZART版はop.9 terに典拠して製作いたしました。

音楽学校に学んで一番楽しかったのは希少な楽器に自由に触れる、心ゆくまで鳴らしてみることができることでした。防音もされていますから銅鑼を狂ったように叩き続けても文句は出ません。例外はチェンバロ、この楽器は弦を掻き鳴らす「ベック」という箇所が天然の鳥の羽軸で作られているなど、とにかく構造がデリケートなので素人が乱暴に弾こうものなら、忽ち壊れてしまうため厳重に鍵のかかったレッスン室に安置されていました。
そこいくとハープの扱いなんて大らかなもので楽器が空いているときは誰でも自由に演奏できました。いまでこそハープを所有する高校吹奏楽部など珍しくも何ともないでしょうが、わたくしの音楽学校時代は実物にお目にかかる機会などは演奏会でしかありませんでしたから興味津々、時間さえあればハープを「いぢくり倒し」て遊んでいました。
もっとも音楽学校という特殊環境にあって男子生徒なればこそ他にも「もっとマシ」な「いぢくり倒すべき未知なる」対象はゴマンとあふれかえっておりますから、たいていはそちらを「いぢくり倒す」のに狂奔するんですが、わたくしは生物学的な方面にはトンと興味がなく、ひたすら未知なる楽器を探求する学究にいそしんでおりましたので、いまでもバルトークのVl'協奏曲2番冒頭のハープソロくらいは弾けます(と思います・・たぶん・)

ハープの弦は全部で47本、このガット弦(高音部は金属線)にちょっとした細工がありC線は赤くF線が青く染色され、それを目安に「つま弾き」ます。基部には7本のペダルがあり時計回りにA-G-F-Eが右足用 H-C-Dを左足で操作します。
このペダルが上がっている状態がフラット、一段押し込んでナチュラル、下に踏み込むとシャープ・ポジションになり、たとえば一番左のペダルを下まで踏み込むと全音域のHが一斉に半音上がりHisすなわちCになります。それゆえハープを演奏する際は曲中に何度もペダルを操作してシャープからナチュラルあるいはフラット位置に7本のペダルを演奏中に切り替える、なかなかに技術を要する「足捌き」を習得するのもたいへんに重要です。
このペダル群はスプリングで上向きのかなり強いテンションがかかっていて、フラットポジションからナチュラルポジションにするには一段踏み込んでスッとペダルを右にずらしてナチュラルのストッパー位置に押し込みます、また更にシャープポジションにするにはナチュラル位置から一段押し下げ、やはり右にあるストップ位置に持ってゆかねばならないのですが、このストッパー位置へ確実に入れないままペダルを放したりすると、ペダルはものすごい勢いで最上段のフラット位置まで跳ね上がって衝突しドッッカーン、ボッカーンと身の毛もよだつような大音響を発します。
銃声に近い音量ですからこれに着目し、このドッッカーン、ボッカーンの騒音を故意に発生させる現代曲もありますし、わたくしもドッッカーン、ボッカーンはしょっちゅうやらかしましたが、そのせいで楽器が壊れたという話は聞いたことがありません。
ハープとは優雅なフォルムに似合わず非常に強靱な楽器だと感動しました。
あ…でもこの記事をお読みの方がハープに触れる幸運に恵まれたとしても「ドッッカーン、ボッカーン」を試すのは一回きりに、い、いや!絶対に試してはなりません。

PINK MOZARTの記念すべきop,100となりました本mp3作品を同級生ハーピスト故K.A.の思い出に謹んで捧げます

近代ハープを完成させたのは「おフランス」なのですが現在シェアのほとんどを日本の「青山ハープ」とアメリカ合衆国のLYON & HEALY社製が占めています。わたくしが「いぢくり倒し」ていた楽器もライオン・エンド・ヒーリーの製品でした。

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