« April 2008 | Main | June 2008 »

Posts from May 2008

FAURE:FANTASIE. op.79,

Taffanel
                    Claude-Paul TAFFANEL.

 
  Andantino-Allegro.
  e-C. 6/8-2/4. 250bars.[duration=4:47]
   EDITION PETERS.Nr.9890 
   transcrit par PINK MOZART MMVIII

ガブリエル・フォーレ 「幻想曲」(1898)

CLASSIC音楽の世界といえども「流行・廃り」があります。
前回御紹介したシャミナードの「小協奏曲」などはホンの四半世紀前まではリサイタルでの定番曲でしたが、最近ではプログラムにはあまり見かけません。このフォーレの「ファンタジー」も一昔前は「フルートおさらい会」では欠かせないプログラムでしたがいまは聴く機会が少なくなってきました。
今回mp3を製作するにあたり、およそ30年ぶりにこの曲に接しましたが、明解にして流麗、まさに「不朽の名曲」であるのを再認識いたしました。
原曲はフルートとピアノ、1898年に作曲され近代フランス・フルート奏法の祖であるPaul TAFFANELにより1901に初演され楽譜には彼への献辞が記されています。

ポール・タッファネル氏はまた1879年に木管楽器室内楽協会を創立し、この協会の依嘱に拠って近代フランス管楽器室内楽曲の数多くの名作を生み出したことも彼の大きな功績です。
Charles GOUNOD「小交響曲」も木管楽器室内楽協会からの依嘱作品でした。
またタッファネル自身、作曲もし彼の死後、お弟子さんの手により完成されたAndante Pastoral et Scherzettino も名曲で現在にいたるまでフルートの重要なレパートリの一つです。

わがPINK MOZART交響楽団は二人のスーパーソリストにより支えられております。
リード系なら何でもこなしてくれる鱧菜仁香(はもな・にか)さんには前回ラフマニノフ「ヴォカリーズ」でソロを取ってもらいましたので本日はもう一人のスーパースターであるパイプ系の名手、岡田里奈(おかだ・りな)さんが演じるVirtual Musicならではの「手に汗握る」超絶技巧・超快演をお楽しみください。

| | Comments (4) | TrackBack (0)
|

CHAMINADE:PAS DES ECHARPES. op.37-3.

Cecile_

セシール・シャミナード:スカーフ・ダンス (1888)

 
   Valse modéré.
      A.(original=in As)
      3/4. 192bars(original=96bars)
      [duration=3:08]
      based upon provided Standart MIDI file;
      by Courtesy of Mme,SHALON.
      transcrit par PINK MOZART MMVIII

みなさんはテクラ・バダジェフスカというポーランドの作曲家を御存知ですか?
「乙女の祈り」という超(有)名曲(?)の作曲者です、この「乙女の祈り」がもっともポピュラーなのはWIKIによると台湾らしく、
なぜならば「ゴミ回収車」がこの曲と「エリーゼのために」(BEETHOVEN)を交互にガナリたてながら回収作業に勤しむそうです。
(あ・ちなみに「乙女の祈り」にはあまり識られてはいませんが「かなえられた祈り」という、これまた超迷作完結編が存在します)《「かなえられた祈り」なんて題名をつけた因果で御本人は27歳でお亡くなりになりましたが》

女性ではただ一人、そのバダジェフスカを除いて歴史に名をのこした作曲家がいます。

Cécile CHAMINADE(1857-1944)《こちらは御長寿をまっとうなされましたね》は余生をモンテカルロで過ごし生涯を終えましたが、音楽にはてんで理解のない裕福な家庭のパリジェンヌとして生を享けました。
APMには「乙女の祈り」「かなえられた祈り」は金輪際登場しそうもありませんので、おそらくは紅一点の作曲家となるでしょう。
シャミナードはヴィクトリア女王御前演奏、大成功のアメリカ演奏旅行など在命中は一世を風靡したフランス「名華」ではありましたが没後はピアノ伴奏のop.107,フルート小協奏曲(1902)のみが演奏会でとりあげられる唯一の作品でした。
("Concertino for Fl' & Pf'"はWIKIPEDIAにて聴取可能です)
このフルート協奏曲は超絶名品でありまして、まことに華麗にして品位みなぎる堂々たる作品。フルート演奏家の間では超人気曲なのですが、シャミナードの名が一般音楽愛好家にまでは識られてはいませんでした。しかし1970年代にジェームズ・ゴールウェイが小協奏曲を管弦楽伴奏版に編曲させレコーディングの後はシャミナードの麗名が一気に人口に膾炙するようになり彼女の作品が再評価がはじまり百曲以上も遺された彼女のキャラクターピース(即興曲・幻想曲・奇想曲・バラードなどの作品の総称です)が続々と出版されるようになりました。
この「スカーフダンス」は「第一バレー組曲」中の一曲、原曲は2分たらずの2手ピアノ小品です。

今回も楽友のしゃろんさんからオリジナルMIDIファイルの提供と改作の快諾をいただきました、ありがとうございます。

| | Comments (5) | TrackBack (0)
|

FAURE:I_BERCEUSE. DOLLY. op.56,

Faure

ガブリエル・フォーレ:「子守歌」 組曲ドーリーより
op.56,(1885)

 
    Allegretto moderato.
  E-C-E. 2/4. 83bars.[duration=2:22]
   Zen-on piano library.
   transcrit par PINK MOZART MMVI-MMVIII

全楽章まとめての再生・D/LはGALERIE PINK MOZART

Gabriel FAURE(1845-1924)はパリ・ニーデルメイエール古典宗教音楽学校(『現存する』とWIKI英語版には記載されていました)にてピアノと作曲をカミーユ・サン-サーンスに学び、マドレーヌ寺院のオルガニスト・首席ピアニストをつとめる。パリ音楽院作曲家教授となる。父の死去にインスパイアされ、あの有名な「レクイエム」を作曲する。のちに院長に就任しパリ音楽院を改革する。自身の死に際してはフランス共和国国葬を以て弔い。
音楽家としては珍しく順調に栄華を高めつづけた生涯を送りました。 このAPMで取り上げる作曲家たち、たいていは…

(1)そも素行が悪い
(2)借金を抱え悲惨な生活
(3)性格的に破綻している・異常である
(4)飲んだくれる
(5)女グセが悪い・悪すぎる
(6)さもなければ右手の甲を左頬に、ついでに(5)も兼ね備える(爆

などなど、あんまり高邁な人物は登場しないのですが、さすがはフォーレ大先生、共和国国葬ですよ、格が違います、いや御立派。で、解説は終えるはずでしたがリクエストが入りました。
しかたがありません、ホントのところをお話しします

この(5)に関して:
フォーレ大先生、じつは誰にも負けちゃおりません、ってゆーかチャンピオン級、さすがは共和国国葬に値します(???)
有名な愛人だけでも片手ではたりないほどですが、1892年夏からは裕福な銀行家夫人Emma BARDAC(エンマ・バルダック)さんに横恋慕します。
このバルダック夫人が1892年6月に長女Hélène(エレーヌ)を産むと、大先生はエレーヌを目の中に入れても痛くないほど「可愛」がったので後年エレーヌの父親は大先生ではなかったのか?の疑惑が… しかし大先生の英文サイトから引用すると:

■フレミエ家族休暇中には夏の別荘は1890年代フォーレは熱烈な恋愛関係にあるエンマは隣のfremietsです。エンマは結婚している銀行が非常に自立した生活が中心になっています。 彼女は機知に富んだ、エレガントな、と非常によく読まれ光景が彼女の美しいソプラノの声です。彼女はフォーレの妻のすべてのことはない。

■を1892年6月20日、エマは娘の名前はHélèneニック・ネーム「ドーリー」ため、彼女はとてもプティットします。という噂があったフォーレは、子供に属して、しかし、その事件が始まった1892年の夏に、これは思いも寄らない。
                       
【遇愚留エンジン訳】

思いも寄らない日本語「超」訳文に唖然となりますが:
「彼女はフォーレの妻のすべてのことはない。」の段を拙訳では
「彼女はフォーレの妻が持ち合わせていないすべて魅力を備えていた」
後段は「エレーヌはフォーレの子供ではないかとの噂があったが、恋愛関係に陥ったのが1892年の夏以降であるから、それはありえない」となります。

大先生が愛してやまなかったエレーヌ・バルダックちゃんの誕生日に毎年一曲ずつ贈り、1897年に6曲をまとめてピアノ連弾組曲として出版された曲集が「組曲 ドーリー」です。

| | Comments (4) | TrackBack (0)
|

FAURE:II_MI-A-OU. DOLLY. op.56,

Dolly_chouchou
成長したDollyとClaude-Emma DEBUSSY (chou-chou)

ガブリエル・フォーレ:「ニャー」 組曲ドーリーより
op.56,(1885)

 
  Allegro vivo.
  F. 3/4. 144bars.[duration=2:12]
   Zen-on piano library.
   transcrit par PINK MOZART MMVI-MMVIII

全楽章まとめての再生・D/LはGALERIE PINK MOZART

DOLLYとは英語で「お人形さん」の意味、すなわちHélène BARDAC:エレーヌ・バルダック嬢の愛称ですが、これは母のエンマ・バルダック夫人の徹底したAnglophile=「英国贔屓」に由来します。後年エンマ・バルダック夫人はクロード・ドビュッシーの後妻となりクロード=エンマ・ドビュッシーという娘を設けますが、ドビュッシーがこの一人娘のために作曲した曲集が2手ピアノ組曲「子どもの領分」 つまり「ドーリー」と「子どもの領分」は姉妹作品、そして大先生とドビ様は… ま、そんなことはどうでもいいんですが、エンマ夫人の英国趣味はますます昂じて「子どもの領分」の題名・各楽章名はすべて「英語表記」を強いられています。
「組曲 DOLLY」の日本語表記はフランス語読み「ドリー」と英語読み「ドーリー」の両方が入り乱れています、どちらかというと英語読みが組曲成立由来により正統でしょうが、どっちでもかまやしません。それよりもFAUREはカタカナでは「フォレ」と表記した方がよりフランス語の発音に近いことを頭の片隅にでも留めておいてください。

第2曲目"MI-A-OU"はフランス語の猫の鳴き声「ニャ~」の意味です、がこの曲の原題は"Messieu Aoul"「メッスュ・アウル」これはDOLLYがまだ幼く兄Raoulのことを呼ぶ際に
"Monsieur Raoul"がどうしても舌足らずな「メッスュ・アウル」になってしまうのを大先生が面白がりそのまま題名にしたのですが、出版に際してHAMELLE(アメル)社は"Messieu Aoul"ってなに? え、なんだ? あ、そう! そういうワケか~ でも困るんだよね~ そんなワケわかんない題名だと、だいいち楽譜の売れ行きにも差し障りがあるし、よわっちゃうな~・・・・・
それよりもこの曲、ずいぶんと「ネコっぽく」ないですか? 
いやホント、ネコっぽいや どうです大先生、ここはひとつ妥協して"Monsieur Raoul"を縮めて"MI-A-OU"「ニャ~」でいきましょうや、そうしましょう、というまるで「葱鮪の殿様」のような経緯で改題されてしまった冗談のようなエピソードがあります。 

| | Comments (7) | TrackBack (0)
|

FAURE:III_LE JARDIN DE DOLLY. DOLLY. op.56,

ガブリエル・フォーレ:「ドーリーの庭」 組曲ドーリーより
op.56,(1885)

 
  Andantino.
  E. 3/4. 53bars.[duration=2:44]
   Zen-on piano library.
   transcrit par PINK MOZART MMVI-MMVIII

全楽章まとめての再生・D/LはGALERIE PINK MOZART

え~ 編曲者という者には得手・不得手がありまして、たとえば「ベルガマスク組曲」の「月の光」 この「組曲ドーリー」の本楽章「ドーリーの庭」などは、わたくしにとっては「鬼門」です。
PINK MOZART版「月の光」などは「ぶっ飛ばし」てしまい… 
なんと! 4分を切る、これはいまだに世界最速記録ではないかと、ひそかな自慢でありまする。
「ドーリーの庭」を編曲するたびに「火曜サスペンス」で地方出身の青年が、ふとした過ちから殺人を犯してしまい故郷に逃げ帰る。そこで同級生の女子(古いね、ど~も)に再会し(あ、この女子は未婚で青年にいまだに好意を抱いています)川辺で久闊を叙し、思い出話に花を咲かせるうちに自首を決意する、
なんていうシーンが、どうしても頭に浮かんでしまいます。

| | Comments (2) | TrackBack (0)
|

FAURE:IV_KITTY VALSE. DOLLY. op.56,

ガブリエル・フォーレ:「子猫のワルツ」 組曲ドーリーより
op.56,(1886)

Dolly
DOLLYを演奏するHélène BARDAC嬢とFAURE大先生

 
  Tempo di valse.
  Es. 3/4. 162bars.[duration=3:02]
   Zen-on piano library.
   transcrit par PINK MOZART MMVI-MMVIII

全楽章まとめての再生・D/LはGALERIE PINK MOZART

第4曲目KITTY-VALSEのKITTYは英幼児語で「子猫ちゃん」「にゃんこ」の意味。
原題はKETTY-VALSEでKETTYはこの家(バルダック家)の愛犬の名前でしたがKETTYという固有名詞では「楽譜の売れ行きが悪くなる」とおそれたHAMELLE出版社の陰謀により普通名詞のKITTYに変更させられたという逸話がのこっています。
そういえば、この曲は犬の描写音楽というよりも、どちらかというと、はるかに「猫っぽく」聴こえますから出版社のセンスには感心せざるを得ません。
なお、この曲の中間部はHEMIOLA MINOR「陰ヘミオラ」手法で終始しています。  

| | Comments (0) | TrackBack (0)
|

« April 2008 | Main | June 2008 »