13 posts categorized "言語雑学"

EMERSON:ABADDON'S BOLERO

Christianandapollyon
Keith EMERSON:Abaddon's Bolero(1972)
キース・エマーソン「アバドンのボレロ」

ARCHIVES PINK MOZART 2にてmp3を聴く(無料)

2012年2月4日第2版=ABADDON'S BOLERO 2012を公開しました。

Abbadon's Boleroは1972年に発売されたELPのアルバム"Trilogy"の掉尾を飾る名曲。
それをPINK MOZART流にお料理してみました。
邦題は「奈落のボレロ」ですが、これはまったくの誤訳。ではAbaddonとはなにか?
固有名詞ゆえに飜譯が不可能、聖書を出典とする言葉です。
新約聖書に収められている「ヨハネの黙示録」は「世界の終末」に関する預言書であり
その第9章第11節に問題の"ABADDON"が登場します。

7つの角と7つの眼を持つ子羊が7つの封印を解いてゆくと7人のトランペットを
持った天使達が現れ、その一人一人がトランペットを吹き鳴らす度に大災害が発生します。
4番目までのトランペットで開始される大災害は次々と環境を破壊して行くのですが、
5番目のトランペットが鳴りわたると、いよいよ人間に対する攻撃が開始されます。

流星が地表に衝突し地底深くまで穴を穿ちます、その穴からは煙が立ち上ると同時に
蝗の大群が出現し、不信心な人間達(額に神の刻印が無い)を襲撃します。
蝗の姿は人頭馬体、金の冠を頭に戴き歯は獅子の如し、長髪にして胸は装甲され
翼の形状は蝗そのもの。長い尾の先に蠍の棘を持ち、それで信仰のない人間どもを
次々と刺してゆきます。
この棘に刺されると究極の苦痛に5ヶ月間にわたって苛み続けられますが、
死による解放をいかに庶幾おうとも、その5ヶ月の期間には決して与えられません。

この蝗軍団は一人の王に仕えています、地の深淵にある「破壊をもたらす場所」
そこを統べる王の名こそがヘブライ語でABADDON(ギリシャ語ではAPOLLYON)
私が信頼する小学館の英和辞典PROGRESSIVE第4版をひいてみますと:
ABADDON=APOLLYON=「奈落の悪魔」となっていますが、これはいけない!
ABADDON・APOLLYONは神学的には「天使」 正確には「堕天使」の一員です、
人間には惨いことをしかけますが、あくまでも「神の命令」に従った処罰ですから、
ABADDONは「神の僕」であり、けっして悪魔ではありません、
それと類似して誤解されていますが閻魔様もけっして「地獄の大王」なんかではなく
非常に位の高い(菩薩様よりも階級が高い)立派な「仏様」です。
なのに「なんで地獄番をさせられているか?」を調べてみると、とてもおもしろいですよ。

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ELP:KARN EVIL 9

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                                                                CG Art by TAKAO(削りとられた廃墟)

1973年11月、ELPのアルバムとしては5枚目彼ら自身が創設した
Manticoreレーヴェルとしては最初のリリースとなった
"Brain Salad Surgery"はおそらくELP ひいては「プログレッシヴ」の
最高傑作であり、とりわけ収められた"Karn Evil 9"は
ジャンルを超越した「20世紀の名曲」でした。

この曲のVirtual Realityを思いついてほぼ20年、畏友Take59
協力を得て昨日全曲を公開することが出来ました。 
ここに衷心よりの謝意を表明します

アルバム"Brain Salad Surgery"  
邦題では「恐怖の頭脳改革」なのですが
原意は「脳みそを振り回す手術」そのまま、スラングで
「口唇による性戯」
"Karn Evil 9"  邦題は「悪の教典」 これも恐るべき「超訳」(笑
原意は「邪悪なカーニヴァル」
ちなみにEvilの発音は「エヴィル」ではなく正しくは「イーヴォ」です。
KarnとはCarnivalを省略したエキゾチック異表記、
ホラ、むかし「スパイ大作戦」で
東独をイメージした国が舞台となると何でもかんでも英語表記の
CをKに換えてエキゾチック感を演出したのと同じ手法です。

"Karn Evil 9”原曲にはGreg LAKEがほとんどシャウトで唱う
Vocalパートがあり、その内容は実に壮大で深遠なる
一大叙事詩となっています。
ストーリを御紹介するにあたっては、その歌詞を掲載するのが
最良解なのですが…
もちろんそれは著作権侵害となり禁じられています。 

そこで数多存在するKarn Evil 9の譯詩掲載サイトを
渉猟したなかで永年英語教育に携わり歌詞の誠実なる
飜譯を追求されていたTAKAMO氏に拙ブログとの
リンクをお願いしてみたところ御快諾をいただきましたので、
ここに氏の全譯文とTAKAMO氏御解説に拠って
Karn Evil 9の物語紹介に替えさせていただきます。

就中"Karn Evil 9"の「9」に対する氏の御考察には
「我が意を得たり」と深く共感させられました。
是非とも皆様には難解な"KE9"歌詞に関しては秀逸なる
「解題」としてTAKAMO氏の飜譯と解説を熟読なさることを
満腔の自信を以てお奨めします。

【STORY】

組曲Karn Evil 9は三楽章形式、各楽章はそれぞれ
"IMPRESSION=印象"の名を持ちます。
時代設定は「遠からぬ未来」 人間社会はComputerに
よって完全に統治されています。
第一印象は殺伐として寂寥感溢れる楽想で幕が開き、
ある人間が「このままでよいのか」の「啓示」を受け葛藤の後、
ついに「覚醒し」自己を「解き放つ」までを描くPart1と
Computer完全支配により確立された道徳的な社会に
「逼塞」させられた人間性が庶幾う猥雑にして頽廃、
不道徳極まる「カーニヴァル」を壮麗なまでに
活写したPart2が通奏されます。



●TAKAMOさんによる第一印象Part1譯詩と解説

●TAKAMOさんによる第一印象Part2譯詩と解説

PINK MOZART version KARN EVIL 9 Part1

第二印象はそれ自体で完結している三部で構成された
理智的で美しい旋律を持つ非常に優れた"DIVERTIMENTO”です。
この楽章だけは原作にもVocalの入っていない「無言歌」 
インスト曲になっています。
続く第三印象とは切れ目無く通奏され、第三印象ではComputerと
人間との最終戦争が表現されています、そして決戦が終局すると…
いよいよ勝者である究極のComputerにスイッチが入り起動します。 
この第三印象の高邁で荘厳、勇壮無比な主題に匹敵するほど
優れた行進曲、凱歌をいかなるジャンルの音楽に通じても
私は識り得ません。

名作"KE9"は「第三印象主題を導く『長大なアプローチ』として
第一・第二印象が『必要』であった」
と「解題」してもけっして過言ではないでしょう。

●TAKAMOさんによる第三印象譯詩と解説

PINK MOZART version KARN EVIL 9 Part2

TAKAOさん御製作によるCG Artを使用しました、
TAKAOさんがCGで表現される「平行・幻想世界」にすっかり心酔し、
今後も機会を捉えては作品の紹介を続けてまいりたいと存じますが
このTAKAOさんとTAKAMOさん、じつは同一人物で両方面にわたる
すばらしい「お仕事」には驚倒させられました。

TAKAMOさん、ブログへのリンク御承認、ありがとうございました、
TAKAOさん、ますますの御活躍をお祈り申し上げます。

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SATIE:TENTURE DE CABINET PREFECTORAL. MUSIQUE D'AMEUBLEMENT

Satie_lunettes

Erik SATIE:TENTURE DE CABINET PREFECTORAL(1920)
エリック・サティ「ボスの部屋にある壁飾り」

 
  e, 2/4, 12bars.
    EDITIONS SALABERT.Paris, E.A.S:17141

繪本作家がプログラムに則したショートストーリーを書き上げ、
それをナレーターが朗読しそのあとにオーケストラが演奏を
披露する形式の演奏會に現在携わっています。

プログラムのほとんどに「プレタポルテ」市販譜が存在するのですが
そのうち何曲かは繪本作家センセの選曲による世間には「あまり馴染みのない」音楽でして
従って既成譜などは存在せず「オートクチュール」になり私が編曲の依嘱を受けました。

そのなかの一曲にErik SATIEが1920年に作曲した「家具の音楽」という作品。
この組曲の由来を調べてみると、これは演奏會の休憩時ロビーで演奏された
謂わば「バックグラウンド・ミュージックの嚆矢」となった音楽らしく
音楽史上では「最初のアンビエント音楽・最初の環境音楽」に位置づけられていました。

現在CDはどこからも発売されておらず、はたして原譜の入手は「可能か?」を
大いに怖れましたが「な~んでも揃っている」らしい(笑)母校図書館蔵書を
OPACで検索をかけると、シャンソン楽譜大手のSALABERT社出版の総譜がヒット。
宅配を依頼すると極めつけに風変わりな一物が送られて来ました。
スコアはペラペラの全3ページ、「しまった、これはプロモ用の見本刷りか?」
しかし子細に点検してみるとそうではなく、これが「家具の音楽」全容でした。

■第一曲 TENTURE de CABINET PREFECTORAL「知事室の壁飾り」は「速すぎない」と
速度表示された4分の2拍子12小節を「任意の回数繰り返して演奏せよ」の指示。

第二曲 TAPISSERIE en FER FORGE 「錬鉄製の綴織り」は「豊穣に」と表情指示のある
8分の6拍子わずか4小節を「何度も繰り返して演奏せよ」
また「招待客を迎える際に玄関で演奏するのがよろしい」の添え書き。

第三曲 CARRELAGE PHONIQUE 「音がでるタイル」は「平凡に」の速度・表情指示
「昼食時、あるいは披露宴で演奏するのもよいかも」の添え書きを伴った
4分の2拍子4小節を「何度も繰り返して演奏せよ」

§「家具の音楽」の原題はMUSIQUE d'AMEUBLEMENT(*1)
強く思ったのは=まず、この日本語題名が「おかしい」か完全なる「誤訳」である。
机とかタンス、ベッドなどの『家具』にあたるフランス語はMEUBLEが「普通」です、
しかも「壁飾り」「綴織り」「タイル」を一般的に「家具」と呼びますか? 
いいえ、違いますよね。"AMEUBLEMENT"仏和辞典第一義は「室内装飾」「調度品」
エリック・サティの製作意図・また楽曲の成立経緯からしても邦題は
「調度音楽」(*2)「装飾音楽」のほうが相応しいのではないか? というのが第一点。

§もう一つ:
各楽節(切)の邦題は最も人口に膾炙したタイトルを採用しましたが
第一曲のCABINET PREFECTORALは「(県)知事室」ではなく多分「ボスの部屋」の意。
第二曲の邦題には「まつたく異議無し」。
第三曲の邦題「音がでるタイル」の原題 CARRELAGE PHONIQUEのCARRELAGEに
「タイル」であることに疑義は無いものの、問題はPHONIQUE=「音のでる・鳴る」なのか?
PHONIQUEの用法をいろいろと調べてみると「PHONIQUE(音)をISOLATEする」の
"ISOLER"(隔絶する)を省略して「防音機能」が備わった商品名・製品名に
したものが非常に多いことを発見。比較が少し流れますが「無洗米」(*3)が
「洗われていない米」ではなく「すでに『洗われた=とがれた』米」を意味するように
「音タイル」とは「音がでるタイル」ではなくて「防音タイル」ではないか?
もしくは「音を反響させるタイル」の意味である、に違いない!
[63%程度の確率(笑)で推察(*4)しています]

【註記】
(*1)
このAMEUBLEMENTは「室内装飾」のほかに「家具一式」も意味するが
その場合はどちらかと言うと法律用語の「家財」に近い気がする。
もし(ありえないが)SATIEが「家具の音楽」という意図であるならば
MUSIQUE DES MEUBLESの題名を冠するのが自然。

(*2)
当時は現在のような「アンビエント」という言葉は無かったのか?
そうではなくAMBIENT(周囲・環境=英仏共通)という単語とMUSICという単語が
「結びつく」のは時代が下った我々の感覚、あるいは相当に「ブッ飛んだ」
「カッ飛んだ」感覚であって当時としてその発想はあり得なかった(と思う)

(*3)
蛇足ながら;
新参語ではこの言葉ともう一つ「認知症」という単語は不明確であり
「不認知症」あるいは「認知失調症」でなければ意味が通じないのではないか
常々、考えていたたが…これは筆者(あ。私、PINK MOZART)の
不認知に拠るところが大きく「症」とは「病気による特徴が顕在する箇所」
「認知症」すなわち「症として認知性が大きく損なわれる」であるから
まことに正確な日本語なんですと。

(*4)
我々の業界に於いて「では他の言語ではどうなっているか?」の
Comparative研究は徒労に帰する場合が多いが、本曲の英語題名は
FURNITURE MUSICでありFURNISHING MUSICである、その意味は
「家具の音楽」よりも「調度としての音楽」「装飾としての音楽」として
捉えられるので本論文(わ。スゴイことになってきた)への
「強力なる補助論証」となり得るのである。

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RODGERS:MY FAVORITE THINGS

Getattachment
                                        Photo by puko

Merry Christmas

Musictrackにて
My Favorite Things mp3を聴く

この有名曲の原語歌詞は中学生程度の英語ですが
中に二つだけ我々日本人にはなじみのうすいものがあります。

一つめはCrisp Apple Strudel
これはドイツ語圏での「アップルパイ」のこと
林檎とともにナッツ類を加えて焼くこともあります、
このイメージが典型的なStrudel(シュトゥルーデル)です。
Strudel

************************************************
Raindrops on roses and whiskers on kittens
Bright copper kettles and warm woolen mittens
Brown paper packages tied up with strings
These are a few of my favorite things.

Cream-colored ponies and crisp apple strudels
Doorbells and sleigh bells and schnitzel with noodles
Wild geese that fly with the moon on their wings
These are a few of my favorite things.

Girls in white dresses with blue satin sashes
Snowflakes that stay on my nose and eyelashes
Silver-white winters that melt into springs
These are a few of my favorite things.

When the dog bites,
When the bee stings,
When I'm feeling sad,
I simply remember my favorite things,
And then I don't feel so bad.

(by Oscar HAMMERSTEIN II)
************************************************

もう一つ謎と思われるのは
Schnitzel with Noodles
これはシュニィツェル=仔牛のカツレツのことです。
有名なのがヴィーネル・シュニッツェル=「ウィーン風カツレツ」
このお料理はヨーロッパ各地いや世界中に伝播しましたが
元はイタリア、ミラノの名物料理でした。
ウィーン風はレモンを搾って食べますが
国によってはトマトソースや、グレーヴィー、タルタルなど
いろいろなソースと共に食べられています。
Wienschnitzel 

オーストリアでは普通、カツレツは山のようなフレンチフライド・ポテトと共に皿に盛ってきますが
Schnitzel with Noodlesはそのガルニチュールをパスタにしたもの
これが一般的習慣となっているのは本家イタリアとイスラエルです。

ちなみに最初に「ミラノ風カツレツ」をオーストリアに紹介したのはオーストリアのラデツキー陸軍元帥、
彼は生涯のほとんどをミラノですごしたほどのイタリア贔屓でしたが皮肉なことにイタリアとの戦争でオーストリア国境の峠で
サルディーニャ軍を撃退し救国の英雄として祀られています。

この「ラデツキー陸軍元帥にして伯爵」を讃えて
ヨハン・シュトラウス一世が作曲したのが有名な
「ラデツキー行進曲」
VPOのニューイヤー・コンサートでは必ず演奏されますよね、
その時聴衆は必ず曲に合わせて手拍子をするでしょう?
これはラデツキー将軍の英雄的活躍と祖国防衛への感謝表明でして初演当時からの慣習です。

それでは皆様
どうか佳きクリスマスをおすごしください

そしてすばらしい新年をお迎えください。

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D'INDY:SUITE EN RE DANS LE STYLE ANCIEN. I_PRELUDE.

Vincent_dindy

ヴァンサン・ダンディ:古典形式による組曲 op.24(1886)
第1楽章「前奏曲」

 
  Lent. D. 4/4.
  21bars. [duration=1:28]
  Based upon SUITE in Olden Style.(IMC 1876)
  transcrit par PINK MOZART MMVIII.

Paul Marie Théodore Vincent d'INDY:
ヴァンサン・ダンディ
は1851年パリに生まれ1931年パリに没した作曲家。現在ではむしろすぐれた「教育者」としての評価が非常に高く、1894年にはスコラカントルム創設者の一人として名を連ね、終生パリ音楽院で作曲の教鞭をとりました。
彼の指導を受け、のちに有名になった作曲家の名をあげますとErik Satie, Albert Roussel,  Isaac Albéniz, Arthur Honegger,  Darius Milhaud と、そうそうたるラインナップです。

イメージの凛とした端正な容貌とフランス姓でVincent d'INDY,  Giscard d'ESTANG, Charles de GAULLEなど姓の前に
de=(ドゥ・英語のofに相当します、なおフランス語ではe,a,i,で終わる一音節の語の直後に母音と無音のhで始まる語が連続するとe,a,i,を省きアポストロフで連結する=これをélision=エリズィオンの法則と呼びます)が含まれることからわかるのですが
ダンディは作曲家には珍しく「貴族」出身でした。

「古典形式による組曲ニ長調 作品24」原曲はトランペット・ソロ、フルート2本+弦楽四重奏の曲(コントラバス追加任意)で1886年(グノー「小交響曲」発表の翌年)に作曲、翌1887年に初演され好評を博したフランス音楽「19世紀一大精華」の典雅極まる組曲ですが、このオリジナルの楽器編成のバランスの悪さが祟ってか現在では演奏される機会は皆無に近く、CD録音も本年1月にベルギーからようやく発売されました。
じつは、なんとかこの名曲を皆さまに御紹介しようとComputer Musicでの再現に取り組みArchives Pink Mozartを始める動機になった曲でしたが製作には結局2年間を要しました。

■全楽章の再生D/LはGALERIE PINK MOZART

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PARRY:JERUSALEM. Suite Anglophile_Interlude.

「ジェルーサレム」 大英帝國ファン 《間奏曲》 

  • And did those feet in ancient time
    Walk upon England's mountains green?
    And was the Holy Lamb of God
    On England's pleasant pastures seen?
    And did the Countenance Divine
    Shine forth upon our clouded hills?
    And was Jerusalem builded here
    Among these dark satanic mills?


  • Bring me my bow of burning gold!
    Bring me my arrows of desire!
    Bring me my spear! O clouds unfold!
    Bring me my Chariot of fire!
    I will not cease from mental fight
    Nor shall my sword sleep in my hand
    Till we have built Jerusalem
    In England's green and pleasant land
    .


  • 古より踏み入りたるイングランドの緑の山々
    豊かなる草原に神聖なる子羊
    みどりの丘に顕現した神の啓示
    魔の侵略が迫るこの地は聖地なりや?


  • この地を芳しき緑の「聖地」と成すまでは
    炎のごとく馬車を駆り、
    輝く弓に希求の矢を番え、
    剣をおさめず、
    わが魂の錬磨やむことなし
    【PINK MOZART訳】

【2008年1月5日追記】
このたびクラシック音楽、とりわけ英国近・現代音楽とチェコ音楽のすばらしい御研究をされているM.M氏のHP文中へのリンクを御願いしたところ、御快諾とならびにJERUSALEM日本語表記についての御指摘を受けましたので訂正し、ここに衷心よりの謝意を表します。
 《M.M氏ホームページ》
 M.M's Classical Music Garden
   
6回目にはじめてクリスマスシーズンの英国を訪れた時に、TV中継される英国国教会のミサを眺めていますと参列者全員が司祭にうながされ起立し「ソラで」このJERUSALEMを歌い出したので驚き、慌てふためきました。
いや、ホント、たまげたな~ そんなまさか!
日本でも親しんでお気に入りでしたこの曲、てっきりEMERSON LAKE & PALMERプログレッシヴ・ロック・レパートリと誤解していましたから由緒を詳しく調べてみると「目から鱗」が落ちました。
詩はWilliam BLAKEの詩集”MILTON”(1804)序文から抽出したもので、メガ・ヒットした英国映画「炎のランナー」=原題"CHARIOT OF FIRE"の典拠でもあります。
(Chariotとは「ベン・ハー」の競技場レース・シーンで有名なローマ帝国時代に用いられた二輪戦闘用馬車)
作曲はSir Hubert Charles Hastings PARRY(1848-1918)
現在、もっとも好まれて演奏される版はSir Edward ELGAR編曲。
詩の内容からわかるように1916年、「あの戦争」=第一次世界大戦中に英国国民の戦意高揚のためにつくられた曲ですが英国国民にひろく愛され、紅白歌合戦エンディング「ホタ~ルのヒカ~リ」と同様BBCのプロムコンサートでは最後に全員で唱和する定番「英国准国歌」として親しまれています。
訳詩をずいぶんと渉猟してみたのですが日本語として「体を成していない」どころか全く「意味不明」なものばかりでした。
そこで"Je te veux"の日本語訳詩には諦観が先立ちましたが今回は「義勇感」に駆られ蛮勇を奮いおこしてみました。が、以前にも書いたように、わたくしのブログ記事ごときをいかなる「元ネタ」にもしないほうが「御身のため」であります。
曲もここは一丁、PINK MOZARTヴァージョンでお届けしようか?とも考えたのですが原曲にはかないません(sempleですが)ので素直にYoutubeでお楽しみください。

英國聯合國籏=UNION FLAG=UNION JACKの構成
Union_flag

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the Jargon for us.

Mendelssohn

メンコン、チャイコン、ドヴォコン

写真の人物は誰でしょう?答えは作曲家のメンデルスゾーン。一番有名な曲は、なんといっても「ヴァイオリン協奏曲」でしょう。この曲、この時代では珍しいのですが、楽章こそ3つに分かれていますが、楽章間が間奏でがつながっていますから、結果として一楽章形式になっている、なんとも小ジャレた造りの名曲です。で、われわれは決してこの曲のことを「メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲」なんては呼びません、これは「メンコン」と申します。メンコンのコンはコンチェルト(協奏曲)の略です。 あまり識られていないのですが、メンデルスゾーンはピアノ協奏曲も2曲書いてはいますが、メンコンというとヴァイオリン協奏曲のみを意味します。

中学の時、「音楽」の時間に三大ヴァイオリン協奏曲とは、ベートーヴェン・メンデルスゾーン・チャイコフスキーの協奏曲のことである。などと、とてつもない戯言を吹き込まれた憶えがあります。その三大のうちのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、これまた「チャイコン」と呼び、親しまれております。チャイコフスキーの場合「ピアノ協奏曲」の方も有名ですが、この、われわれが使う隠語は主にオーケストラ団員の略語ですから、「チャイコン」というと九割方、ヴァイオリン協奏曲のことです。

これらの省略法の元祖になったのが「ドヴォルザークのチェロ協奏曲」 これを略して「ドヴォコン」と、われわれの先祖が呼び慣わしたのが、そもそもの始まりです。もっとも「ドヴォコン」はチェロ協奏曲のみを指すわけではなく、会話のコンテキストによっては「ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲」を意味することもあり得ます。

ほかによく使われるのはシベリウスのヴァイオリン協奏曲「シベコン」かなぁ? まちがっても訳知り顔でベートヴェンやブラームスのヴァイオリン協奏曲を「ベトコン」とか「ブラコン」なんて呼んじゃだめですよ、そういう呼び方は絶対にいたしません。 
わたしが常々「おもしろいなぁ」と思っているのは、ブラームスの交響曲第一番・第二番を「ブラいち」「ブラに」という習慣がひろまってきたこと。すくなくとも昔の音楽学校やオーケストラでは使わない略語でした。これは、むしろ「トーシローさん」の愛称の逆輸入なのです。

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SUPERMAN. OPEN SESAME!

Superman

スーパマンとひらけゴマ!

PARISのフランス語学校での休憩時間に世界各国から集まった生徒達と「赤いマントを着て空を自在に飛ぶヒーロー」を自国語で何というのか?を披露しあったことがあります。

フランス語では「シュペルマン」 ドイツでは「ズッパーマン」 でも一番ウケたのは日本語の「スーパーマン」でした。 わたしが日本語の発音で「スーパーマン」というと、全員、腹を抱えて笑い転げました。どの言語でも、まちがいなくSUPERMANの最初の音節SUに強いアクセントがあるのに反して日本語では二音節目の「パー」にアクセントがあります。これが日本語以外の言語を母語とする人々には、どうやらとてつもなくエキゾチックに映るらしいです。

別の機会にわたしが「ひらけゴマ!」は各国語で、どう表現するのか?を各国の生徒に聞いてみました。すると意外にも、どの言語においても「ひらけ!」と「ゴマ」を意味する単語で表現するのを知りました。 世界各国「アリババ」の原典のギリシャ語だかセム語をそのまま訳したのでしょう。

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LEMOINE:BILLAUDOT:SCHIRMER.

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Lemoine008
Billaudot009

難読楽譜出版社

フランスの楽譜出版社で、よくお世話になるのはDURANDとLEDUC。たぶんこの2社がフランスでは最大手の楽譜出版社です。これは簡単に読めますね「デュラン」と「ルデュック」。これについでよく目にする出版社名がLEMOINEとBILLAUDOT、これはなんと読むか? フランス語の読み方さえ識っていれば規則から何一つとして逸脱がありませんから、簡単といえば簡単なのですが、そも、その「フランス語の読み方の規則」を識らなければ難解な出版社名です。 正解はカタカナで表すと「ルモワーヌ」と「ビヨォド」あるいは「ビヨード」 しかし、わたしが常日ごろから頭を抱え込むほど悩んでいるのは、実に合衆国の大手出版社のSCHIRMERです。なんて読むと思いますか?

むかし、友人がさかんに「シェデュール」「シェデュール」という言葉を口にするので、「何、それ?」と聞いてみますと、とくとくと「いま、オーストラリアの先生から英語の個人レッスン受けてるんだけど、SCHEDULEは正しくはシェデュールって発音するんだって」 ちょっと待て! オーストラリアの人々がSCHEDULEをなんと発音するか?などは、もとより知ったこっちゃありませんが、そりゃヘンだ。そういえばASIMOV先生のコラムにも、英語ではSCHを一音節では絶対に発音しない規則なのに近頃ではSCHEMAとかSCHEMEをシェーマ・シェームと発音するのが流行っている、そのうちSCHOOLもシュールと言い出すに違いない、と発音の乱れを嘆いた一文がありました。

以前、電話で代理店にSCHIRMERの楽譜を註文したとき、代理店の人が「えっ、どこの出版社ですか?」「SCHIRMER、綴りはS-C-H-I-R-M-E-R」復唱すると「ああ、シェーマーですね」ちがうぞ~、SCHIRMERは断じて「シェーマー」なんて読む法則は英語にはないぞ~ と愕然としましたが代理店の社員が「シェーマー」と断言するのだから、しかたがありません「シェーマー社」の楽譜を註文いたしました、先の電話でわたくしは、良識にしたがって「スキルマー」と発音したのです。
SCHIRMER 正確になんと発音するのでしょうか? いまでもわかりません。

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Prelude & Fugue.

Prelude_fugue001

プレリュードとフーガ

作曲家の先生がたは自分の作品には、もちろん思い入れが強いのでしょうから、とかく難解な命名をする傾向があります。 わたくしの音楽学校時代、「墓碑銘(epitaph)」とか「習作」(あるいはこの意の各国語題)なんてのを自作に冠するのが猖獗を極めておりました。ご本人はともかく、こういうのを演(や)らされる奏者はたまったものではありません。 本番前の楽屋でも「墓碑銘って、いったいぜんたい誰のかね? 作曲者のバァさまかネ?」とか、「習作だって? アータねぇ、そんなもんでお金取って人に聴かせていいもんかね? なんで、ちゃ~んとした演奏会用の作品をつくんないのかね」 意気の揚がらないこと夥しいものがあります。 今ではこんな題名をつける作曲家は少なくなりましたが、作品は題名などには凝らないで、あっさりと「三重奏曲」「四重奏曲」などの演奏形態で表すか、あるいは「ソナタ」などの、ごくオーソドックスなものにして内容で人を唸らせていただきたいものです。

ところで前回「プレリュード」が和声音楽、「フーガ」が対位法音楽であることを説明いたしました。 和声学と対位法学の東西両横綱のそろいぶみ、ゴジラ対キングギドラ、いや、これはちょっと違うな、そう、「お雛様とお内裏様」のような好一対です。 この豪華な構成の楽曲は現在でも、さかんに作曲されていますが、その場合は「プレリュードとフーガ」という題名は、どちらかというと避ける習慣があります。これは、いうまでもなく「プレリュードとフーガ」という形式を確立した「大バッハ」(Johann-Sebastian BACH)に表敬すべく自作を謙遜し「Prelude. Fugue」の「示小形」である「Preludio & Fughetta」(プレリューディオとフゲッタ)と命名することが世界中で慣例となっています。 自分の作品は「大プレリュードと大フーガ」である、としても少しもかまわないんですが、ま、これは「不文律」というやつです。

ちなみにこの「不文律」という言葉は日本語じゃありません。 明治時代に英語のUnwritten Lawを概念ごと取り入れたもの。元の言葉を減格する働きを持つduo→duette. sonata→sonatina. prelude→preludio. fugue→fughetta. concerto→concertino. symphony→symphonietta. のような語尾群を「接小辞」と申します。

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