5 posts categorized "d'INDY.Vincent."

D'INDY:SUITE EN RE DANS LE STYLE ANCIEN. I_PRELUDE.

Vincent_dindy

ヴァンサン・ダンディ:古典形式による組曲 op.24(1886)
第1楽章「前奏曲」

 
  Lent. D. 4/4.
  21bars. [duration=1:28]
  Based upon SUITE in Olden Style.(IMC 1876)
  transcrit par PINK MOZART MMVIII.

Paul Marie Théodore Vincent d'INDY:
ヴァンサン・ダンディ
は1851年パリに生まれ1931年パリに没した作曲家。現在ではむしろすぐれた「教育者」としての評価が非常に高く、1894年にはスコラカントルム創設者の一人として名を連ね、終生パリ音楽院で作曲の教鞭をとりました。
彼の指導を受け、のちに有名になった作曲家の名をあげますとErik Satie, Albert Roussel,  Isaac Albéniz, Arthur Honegger,  Darius Milhaud と、そうそうたるラインナップです。

イメージの凛とした端正な容貌とフランス姓でVincent d'INDY,  Giscard d'ESTANG, Charles de GAULLEなど姓の前に
de=(ドゥ・英語のofに相当します、なおフランス語ではe,a,i,で終わる一音節の語の直後に母音と無音のhで始まる語が連続するとe,a,i,を省きアポストロフで連結する=これをélision=エリズィオンの法則と呼びます)が含まれることからわかるのですが
ダンディは作曲家には珍しく「貴族」出身でした。

「古典形式による組曲ニ長調 作品24」原曲はトランペット・ソロ、フルート2本+弦楽四重奏の曲(コントラバス追加任意)で1886年(グノー「小交響曲」発表の翌年)に作曲、翌1887年に初演され好評を博したフランス音楽「19世紀一大精華」の典雅極まる組曲ですが、このオリジナルの楽器編成のバランスの悪さが祟ってか現在では演奏される機会は皆無に近く、CD録音も本年1月にベルギーからようやく発売されました。
じつは、なんとかこの名曲を皆さまに御紹介しようとComputer Musicでの再現に取り組みArchives Pink Mozartを始める動機になった曲でしたが製作には結局2年間を要しました。

■全楽章の再生D/LはGALERIE PINK MOZART

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D'INDY:SUITE EN RE DANS LE STYLE ANCIEN. II_ENTREE.

ヴァンサン・ダンディ:古典形式による組曲 op.24(1886)
第2楽章「入場曲」

 
  Gai et Modéré. D. 2/4.
  152bars. [duration=3:00]
  Based upon SUITE in Olden Style.(IMC 1876)
  transcrit par PINK MOZART MMVIII.

ENTREEとは舞踏会に参加者が入場してくる時に演奏される音楽、またはミサで司祭が登壇する際にオルガンで奏される短い合図のような音楽で入場曲あるいは登場曲と訳されます。
古典形式による組曲は「ムニュウ・デギュスタシオン」のような5コース仕立ての組曲になっていますが第1楽章の短い「前奏曲」につづくこの「入場曲」はアタッカで通奏されるので実質的には4楽章の組曲となります。
この楽章から、いよいよトランペット・ソロの活躍がはじまる、
なかなかに「お茶目」な組曲導入部です。

■全楽章の再生D/LはGALERIE PINK MOZART

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D'INDY:SUITE EN RE DANS LE STYLE ANCIEN. III_SARABANDE.

ヴァンサン・ダンディ:古典形式による組曲 op.24(1886)
第3楽章「サラバンド」

 
  Lent. d. 3/4.
  69bars. [duration=3:15}
  Based upon SUITE in Olden Style.(IMC 1876)
  also: SARABANDE & MENUET.(IMC 3060)
  transcrit par PINK MOZART MMVIII.

サラバンドとはペルシャ(現在のイラン)起源でスペインを経由しヨーロッパに伝わり17~18世紀に大流行した、荘重な三拍子のダンスですが古典的な組曲の楽章名としても用いられるようになりました。

■全楽章の再生D/LはGALERIE PINK MOZART

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D'INDY:SUITE EN RE DANS LE STYLE ANCIEN. IV_MENUET.

ヴァンサン・ダンディ:古典形式による組曲 op.24(1886)
第4楽章「ムニュエ」

 
  Animé. D. 3/4.
  136bars. [duration=3:51]
  Based upon SUITE in Olden Style.(IMC 1876)
  also: SARABANDE & MENUET.(IMC 3060)
  transcrit par PINK MOZART MMVIII.

ムニュエ=メヌエットは中庸なテンポの優雅なダンスでしたが、やはり組曲・交響曲における三拍子系楽章名として命運が長く、時代が下るにつれテンポは徐々に速くなりBEETHOVENの時代には完全にScherzo(スケルツォ=高速三拍子楽章)と交替しました。
この楽章のリズムはおもしろく、聴いていると拍子がたびたび切り替わるような印象を受けるでしょうが、楽譜上は一貫して3/4拍子で表記されています。
三拍子系において突如として元のテンポの3分の2の拍子を刻んだり、あるいは元のテンポの3/2倍の拍子を出現させ聴衆の意表を突き、楽興を高める技法はバロック期より曲の終止部によく用いられました。この手法をギリシャ語で「1.5」を意味するHEMIOLA「ヘミオラ」と申します。
バロック期には曲のごく一部で使われたのですが、19世紀になりますと有名なシューマンのピアノ協奏曲終楽章の中間部ではヘミオラの連続ですし、たとえばフォーレの「組曲ドリー」中の「キティ・ヴァルス」の中間部は一貫してヘミオラ手法で書かれるなど大流行しました。
この「古典形式による組曲」ムニュエ楽章も提示部と再現部はヘミオラと通常3拍子の切り返しの連続、あるいは伴奏部のみヘミオラ、中間部は完全にヘミオラ形式を貫き、活き活きとした「めざましく」躍動的な楽章になっています。
Hemiola
なお厳密にはHEMIOLA技法には2つのパターンがあり
AをHEMIOLA MAJOR=「陽ヘミオラ形」
BをHEMIOLA MINOR=「陰ヘミオラ形」と呼び、この楽章で用いられているのは後者です。(イメージはクリックで拡大表示可能)

■全楽章の再生D/LはGALERIE PINK MOZART

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D'INDY:SUITE EN RE DANS LE STYLE ANCIEN. V_RONDE FRANCAISE.

ヴァンサン・ダンディ:古典形式による組曲 op.24(1886)
第5楽章「フランス風ロンド」

 
  Assez animè. D. 3/8.
  251bars. [duration=2:51]
  Based upon SUITE in Olden Style.(IMC1876)
  transcrit par PINK MOZART MMVIII.

ロンドとは舞踏会のフィナーレで踊られる「輪舞曲」の意味でしたが、音楽用語では短いパッセージを繰り返し出現させる手法を指します。
ロンド形式についてさらに詳しくお知りになりたい方はドルチェ先生「ピアノぶらぼー」に書かれた記事「ロンド形式とは? ロンドなピアノ曲で楽曲分析」を御参照ください。
この「フランス風ロンド」では一つの主題を声部ごとが追いかける遁走曲風(フーガ)、コーダでは「前奏曲」を回想して全曲の掉尾を飾ります。
この「古典形式による組曲」はトランペットが主役をつとめますが、これはこの組曲が「トランペット協会」の依嘱で作曲された経緯によるものです。
ダンディは原作の32年後の1918年、この2Fl' Trmp'+弦楽四重奏という特異な編成を木管五重奏+ピアノの近代的な六重奏曲に改め第1・第2・第5楽章を削除し"Sarabande et Menuet"「サラバンドとメヌエット」op.24bis,としてHAMELLEより出版されました。
こちらのほうは現在でも木管楽器室内楽の名レパートリーとしてひろく愛され、親しまれています。

■全楽章の再生D/LはGALERIE PINK MOZART

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